0200-WAR

部屋は真っ暗
しかし、暗くしてからかなり時間が経過しているので
目は慣れて、歩いたりする分には困らない程度には見える
音といえば、ずっと点けっぱなしにしているパソコンの音くらいのものだ
普通の人ならとっくに寝てる時間、時計の針は2:00を指している
いわゆる丑三つ時というやつだ
こんな時間に起きている私は少し普通じゃないのかもしれない
何故起きてるのかという理由は↑を参照してくれ
寝る前にコーラを飲みすぎたためか、私は非常にトイレに行きたかった
マジで漏れる5秒前〜♪
この歳で漏らすのは勘弁なので、トイレに行こうとした
途中電気を点けながら台所を通りトイレへ向かった
そこまでは普通だった
しかし、トイレの電気を点けると


コンッ


とドアの内側から音がした
こうえぇえええええええ!
なんだ!?聞き間違いか?いや確かに聞こえた
目に見えない者か?
内心ビビリながらも、用はたさなければいけないので思い切ってドアを開けてみる
ドアを開け、外と中が繋がった瞬間
ヤツはいきなり私の胸に先制攻撃を仕掛けてきやがった
ヤツといってもゴキでは無い
モスラのちっちゃいverだ、蛾
エアコンが隣の部屋にしかなく、暑くてたまらないので上の窓を開けていたのだが
どうやらそこから入り込んだらしかった
住居不法侵入で逮捕するぞ
蛾は、トイレは私の縄張りだ、とでも言わんばかりの勢いで私に体当たりを食らわせてきたのである
私はその奇襲を見事なまでにまともに受けてしまい、後退せざるを得なかった
私が下がっている間にヤツはどうしていたかというと、ヒットアンドアウェイだろうか?
天井に張り付き敵(私)の出方を伺っているようだった
5秒ほどの時間を要しただろうか、私の思考回路が正常に動作し始め、次に何をすればいいか考える
まずは戦況判断だ


ヤツは空を自由に翔ける事ができる、一方私は跳ぶ事は出来ても飛ぶ事は出来ない
悔しいが制空権はヤツの物だ
更にヤツは、死の燐粉をばら撒きながら、その当たり判定の小さな体で私の攻撃を掻い潜り、鋭い一撃を放ってくるのは容易に想像できる
私はヤツに比べれば、体が大きく体力もあるが、攻撃を受け続ければ
どこかの、白い汎用人型兵器10機くらい vs 赤い汎用人型兵器
の戦いを見てもらえば分かるが、結果は見えている
私の攻撃は、小さく素早いヤツには当たらない
完全に負けている!?そう悟った私は急ぎ部屋に引き返し
"アースジェット"ライフル を装備しようとしたが
相手はゴキではない(もしもゴキなら、最初の遭遇で私のロケットパンチが炸裂していただろう)
ヤツは、ただ運命に踊らされているだけだ
この兵器では、空気が汚染されてしまうだろう、そしてなによりヤツを倒してしまうだろう
私の目的はなんだ?
ヤツを倒す事か?否!
ヤツと私二人が生き残れる道を探す事だ
そう思い直し、私が装備した物は"7月3日東京都議会議員選挙"チラシ だった
チラシといって馬鹿にしてはいけない
これは、ヤツが例え天井に逃げようとも、どこにでも攻撃出来る驚異的なリーチ
広げれば、今まで出来なかった、広範囲攻撃も可能
更に、上手く扱う事が出来ればヤツを捉える事も出来るのだ


早くヤツに支配されている聖域を取り戻し、人質(尿)を開放しなければ・・・
時間が無い
急ぎ戦いの場に戻ると、やはりヤツはそこに佇んでいた
ヤツは、ここじゃ俺達の戦いには狭すぎるぜ、と台所へ猛スピードで移動した
マズイ!
確かにトイレでは狭すぎるかもしれないが、広すぎたらそこはヤツの天下だ
これ以上有利にさせたら手に負えなくなる、そう確信した私は
まず部屋と台所の扉を閉め、次にトイレのドアを閉め台所を他の空間と隔離した
ヤツはどこだ・・・?
居た
蛍光灯の傍で体力を回復してるな
今がチャンスだ
既に気力MAXの私は最大奥義を出した
「愛の心にて悪しき空間を断つ。名付けて、断空光牙剣!やぁってやるぜ!」
光の刃がヤツを襲う!決まったか?と思ったその時
なんと、ヤツは影分身しやがった
おまけにカウンターで額に体当たりをしてきた
そして、また天井に張り付いた、その姿はまるで私を嘲笑っているかのようだった


その後何回刃を交えたのだろう・・・
何年も戦い続けていた気がする
だが、何にでも終わりは必ずやってくるのだ
確かにヤツは強かったが、さすがに長時間の戦いで、小さな体の体力では限界だったのだろう
私の放った「燕返し返し(オリジナル技)」の二回目に返したチラシに、見事にクリーンヒット
しかも、私の予想した軌道を描き、さっき開けておいた窓の外まで吹き飛ばす事が出来た
少し強く打ちすぎたか、とも思ったが、どうやら私の取り越し苦労だったようだ
ヤツは窓の外に出るなり、力強く羽ばたき夜の闇へと消えて行った


また会おう、好敵手(とも)よ
時計の短針は3と4の間を指していた・・・



うはっ、めっちゃ長くなった
疲れた〜、書いてる間にアクエリオン終わっちゃったorz